気象と防災 マメ知識!

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気象と防災 マメ知識!

気象予報士・防災士の神山 浩樹(IBCアナウンサー)がお届けする5分間。

◆放送日時
毎週土曜日17:50~17:55
番組開始:2009年4月〜

◆出演
神山浩樹(IBCアナウンサー)

お便り・お問い合わせ

593回「日本海溝・千島海溝沿い巨大地震2」2020年9月26日OA

2020年09月26日 6:00 PM

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に伴う大津波についてです。内閣府によると、東日本大震災の津波の高さと比べた場合、青森県以北では今回推計した津波の方が高く、岩手県内では、海岸地形にもよりますが、宮古市付近より北で今回推計した津波の高さの方が高くなる所があります。「北海道」では、根室市からえりも町付近にかけて10~20mを超え、高い所ではえりも町で30m弱。えりも町より西側の地域の苫小牧市や函館市などで10m程度が想定されています。「青森県」では八戸市の高い所で25mを超え、太平洋岸で10~20m程度が想定されています。「岩手県」では、宮古市の高い所では30m近い津波の高さになる等、10~20m程度。「宮城県」や「福島県」などでは、場所によっては10mを超える高さですが、一部の地域を除き東日本大震災よりも低い想定です。

さて内閣府は、この津波により防潮堤が破壊されるケースと破壊されないケースについて、岩手県の浸水想定を公表しました。沿岸市町村の浸水の深さは7段階で色分けされていて、防潮堤が破壊されるケースでは、沿岸北部を中心に市街地が5メートル以上浸水する市町村もあります。野田村の野田湾では地震発生34分後、最大波である第1波13.4mが襲来。地震発生43分後には役場のある場所で8.2mの浸水が想定されています。又、釜石市の釜石湾では地震発生81分後、最大波9.2mが押し寄せ、その時間に市役所は6.7mの浸水が想定されています。この他、久慈市の久慈湾では地震発生83分後、最大波13.5mが来襲。地震発生90分後、市役所は5.3mの浸水が想定されています。津波が防潮堤を乗り越えたとしても破壊されないケースで庁舎の浸水が想定されているのは久慈市のみで、地震発生53分後、1.5mの浸水です。

地震、津波は自然現象で不確実性を伴います。今回の想定で示した時間よりも早く津波が到達したり、津波の高さが高くなったり、浸水範囲以外でも浸水の恐れがあったりすることに注意が必要です。東日本大震災の教訓は、防潮堤のようなハードだけで命を守るには限界があるということです。防潮堤はあくまで避難の時間を稼ぐという意識を持ち、決して過信せず、何よりも「逃げることが大事」ということを忘れてはなりません。

 

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592回「地震10秒診断」2020年9月19日OA

2020年09月19日 6:00 PM

今日は「地震10秒診断」についてです。あなたの住む場所で30年以内に大地震が起きる確率と、大地震が起こった場合の建物全壊の確率、停電や断水の予測期間などがすぐにわかるもので、防災科学技術研究所と日本損害保険協会がウェブ上で公開しているものです。住所を入力すれば、国内各地の予測が表示される仕組みです。地震の確率は防災科学技術研究所の研究から、ライフラインの復旧日数は過去の事例から算出しています。

例えばIBC岩手放送がある「岩手県盛岡市志家町6-1」を入力すると、震度6弱が30年以内に起こる確率が4%と出てきます。「日本における自然災害・事故等の年発生確率に関する統計資料」と照らし合わせますと、1年間の確率で参考程度になりますが、大雨による罹災が0.5%、台風による罹災が0.48%、事故や病死、犯罪ですと、火災で罹災が1.9%、心疾患での死亡と空き巣狙いが共に3.4%です。盛岡で震度6弱が30年以内に起こる確率4%は、それらの事象よりも高い確率ということになります。又、木造の建物全壊の確率は0.6%、出火の確率は冬の午後6時に起きたと仮定して0.1%です。共に1000棟の内、6棟全壊、1棟から出火という計算になります。停電は2日間、ガス停止は5日間、断水は9日間という予測です。停電の場合、テレビやスマホから情報を得られなくなり、電化製品が使えません。ラジオから情報を得たり、懐中電灯を用意したり、又、冬場は車のエアコンや、反射式ストーブなどで暖を取ったりすることを想定した方が良さそうです。そしてガスが使えない場合を想定して、缶詰など、火を使わない食品を常備。断水に備え、飲料水や、給水車が来た場合の水を確保する容器を準備すると安心です。

県内では場所によって大地震の確率に差があり、沿岸南部の海岸沿いでは、震度6強が30年以内に起こる確率が8%の地域もあります。その場合、停電が4日間、ガス停止が21日間、断水が32日間、又、建物全壊の確率が24.2%、出火確率が0.8%です。大地震で、どんな被害が出るのか、ライフラインの支障がどれぐらいの期間続き、その為にはどんな備えをすれば良いのか、具体的に考えるきっかけになるこのページは「地震10秒診断」で検索すると、御覧になれます。

 

591回「特別警報に関する質問」2020年9月12日OA

2020年09月12日 6:00 PM

紫波町のDJメロン娘とMCオレンジ娘さんから質問をいただきました。ありがとうございます。「特別警報に関する疑問ですが、どうして特別警報は大雨だけに付くんでしょうか。なぜ洪水や暴風には付かないんでしょうか」

特別警報は、警報の発表基準をはるかに超える大雨等が予想され、重大な災害の起こる恐れが著しく高まっている場合、気象庁が発表し最大級の警戒を呼びかけるものです。特別警報という名称で発表するのは、実は大雨の他、暴風、高潮、波浪、大雪、暴風雪の計6種類あります。気象に関する特別警報は警報・注意報と同様に市町村単位で発表し、大雨の場合、その市町村の50年に一度の値以上が発表基準になります。例えばお住まいの紫波町の場合、3時間降水量113ミリ、48時間降水量247ミリが目安となっています。紫波町では2007年9月17日に1日の降水量220ミリという観測史上1位の記録があります。この時は、東北地方北部に停滞する秋雨前線上を台風から変わった温帯低気圧が通過、加えて沖縄地方にある台風から暖かく湿った空気が流れ込み内陸を中心に激しい雨となりました。このような気象が予想される場合は、大雨の特別警報が出される可能性があります。暴風の特別警報は、数十年に一度の強度の台風や同じ程度の温帯低気圧により暴風が吹くと予想される場合に出されます。想定しているのが中心気圧930ヘクトパスカル以下、又は最大風速毎秒50m以上の伊勢湾台風級の台風や温帯低気圧の来襲です。

洪水の特別警報はありません。洪水の予報については雨量等の気象現象に加え、ダムによる人為的な流水制御、支流からの合流や、インフラ整備の状況なども踏まえて行うことが必要になってきます。流域面積が大きく、洪水により大きな損害を生ずる河川については、国土交通省又は都道府県と気象庁が共同で、河川を指定して洪水予報を行っていることから、洪水の特別警報は出していません。県内で指定されている河川は、北上川、砂鉄川、磐井川、人首川、胆沢川、和賀川、豊沢川、雫石川、中津川、猿ヶ石川です。河川について氾濫危険情報が発表されたら、速やかに避難を開始することが大切です。

 

590回「コロナ禍の一次救命措置」2020年9月5日OA

2020年09月05日 6:00 PM

厚生労働省が作成した、コロナ禍の一次救命措置についてです。ウイルスの感染が広がる中、もしも目の前で人が倒れたらどんな処置をすれば良いのか、国が指針を発表しました。心肺蘇生をする場合、ウイルスなどを含む微粒子が発生する可能性がある為、「基本的に全ての心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応しましょう」としています。

具体的な手順は、1.まず安全を確認します。車の往来があったり、室内に煙が立ち込めたりした際は、状況に応じた安全確保が必要になってきます。2.倒れている人の反応を確認します。肩を優しく叩きながら大声で呼びかけ、目を開けるなどの応答が無い場合、心停止の可能性を考えて行動します。ポイントは顔を近づけすぎないことです。3.そばに誰かいる場合は、119番通報とAEDを手配します。4.呼吸を観察します。呼吸をする度に胸や腹部が上がったり下がったり動いていなければ、呼吸が止まっていると判断します。5.人口呼吸は行いません。胸骨を圧迫します。胸の左右の真ん中に縦長の平らな骨があり、圧迫するのはその骨の下半分です。倒れている人の胸がおよそ5センチ、沈み込むように強く速く圧迫を繰り返します。ウイルスを含む微粒子の飛散を防ぐ為に、圧迫前にハンカチやタオルなどを倒れている人の鼻と口にかぶせます。マスクや衣服などでも代用できます。1分間に100~120回のテンポで胸骨圧迫を30回以上続けます。6.AEDを使用します。7.心肺蘇生を続けます。心肺蘇生は到着した救急隊員と交代するまで続けることが大切で、「効果が無さそうに思えても諦めずに続けて下さい」としています。そして救急隊に引き継いだ後は、速やかにせっけんと流水で手と顔を十分に洗います。倒れている人の鼻と口にかぶせたハンカチやタオルなどは、直接触れないように廃棄するのが望ましいとしています。

心肺蘇生法は勇気がいることで、特に呼吸の判断に迷い、ためらってしまいそうです。しかし救急蘇生法の指針では、仮に倒れている人が心停止ではなかったとしても、「胸骨圧迫が傷病者に大きな害を与えることはまれなので、迷ったら胸骨圧迫を開始しましょう」と強調しています。

 

589回「発達障害と避難」2020年8月29日OA

2020年08月29日 6:00 PM

SVDさんから質問を頂きました。ありがとうございます。「ここ最近、水害にコロナ、後は間接的な地震などの話題に頭が痛いと感じる私。先日、私が住んでいる一関市の避難所のリストを見ていた時、水害、地震の時は・・・と書いてあるのは良いけれど、私は発達障害があるし、避難所ではどうやって居るのが正しいのかわからないし、会話もできないし、寝ているのが良いのか、手伝ってと言われた時にどうやって対処するのが正しいのかよくわからないし、本当に頭が痛い話だと感じるので」。

この件について、岩手県と一関市にお聞きしました。避難所運営を担当する一関市まちづくり推進部まちづくり推進課によりますと、市では新型コロナウイルス感染症への対策として、多くの人が避難所に密集しないよう「分散避難」を推奨しているとのことです。分散避難とは、安全な地域に住む親戚や知り合いの家などに避難することです。自宅が安全な地域にあれば、無理に避難するのではなく自宅に留まる選択肢もあります。市が設置する避難所に避難する際、配慮が必要な場合は、避難所スタッフに相談していただければ、別室やテントといった個別の配慮スペースを確保するなど、避難された方の状態に応じた対応を行うとしています。また保健師等による健康調査を行い、障害者支援施設や高齢者福祉施設などの福祉避難所への避難が必要な場合は、避難された方の状態に対応した施設との調整を行い、避難体制を整えるということです。

加えて岩手県保健福祉部障がい保健福祉課では、ご家族の協力を求めています。避難所スタッフに対して「本人の心身の状態や障がいの特性をお伝えいただくとともに、併せて、本人が必要とする薬、食品などの物品や、落ち着ける場所、話しかけ方など、特に配慮する事項もお伝えいただきたい」としています。そして大規模災害時は、岩手県災害派遣福祉チームが、避難所の要支援者の福祉・介護等のニーズ把握や応急支援などを行う体制を構築する、ということです。県や市の支援体制をお伝えしましたが、それでも不安がある場合は、平時にSVDさんのご家族から、市に相談しておくことが、災害が起きた時の備えになりそうです。

 

588回「梅雨明け」2020年8月22日OA

2020年08月22日 6:00 PM

盛岡の恋ヶ窪さんからメールを頂きました。ありがとうございます。「梅雨明けが無いっていう意味がわかりません。止まない雨はないというように、梅雨もいつかは終わりますよね。立秋後でも、発表したらいいのに」。盛岡地方気象台は東北北部の梅雨明けの速報的な発表について、今年は行わないとしました。梅雨明けの発表は立秋までを目安としています。梅雨は春から夏に移行する過程で、その前後の時期に比べると雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象です。立秋過ぎに速報するのはそぐわないのです。今年は8月上旬も大気の状態が不安定だった影響で曇りや雨の日が多く、7日の立秋までに明確に梅雨明けと判断できる時期がありませんでした。

梅雨入り、梅雨明けの発表が始まったのは1964年(昭和39年)からです。梅雨の時期は、大雨による災害の発生しやすい時期でもあり、一方、梅雨明け後の真夏に必要な農業用の水等を蓄える重要な時期でもあります。日々の生活に様々な影響を与え社会的にも関心が高いと考えられ、情報の提供が始まったものです。現在、気象庁では過去に遡って検討した1951年(昭和26年)以降の日付をHPで公開しています。季節変化は、ある日を境に明瞭にその季節に入ることはなく、双方の季節が交互に現れ移行していきます。判断が難しく、発表の仕方の変遷に、その苦労が伺えます。当初は「〇月〇日に梅雨明けしました」と特定した言い方をしていました。しかし1993年(平成5年)の冷夏と1994年(平成6年)の猛暑で状況が変わります。1993年は、8月13日に梅雨明けが発表されたものの、その後もぐずついた天気が続き「東北北部の梅雨明けは特定できない」と撤回。梅雨は終わりましたが、いつ終わったかは記録上、初めて特定できなかったのです。又、翌1994年は7月15日に「東北北部は2日前の13日に梅雨が明けていました」と発表したのです。その後は季節の移行を考慮し、1995年(平成7年)7月24日、1996年(平成8年)7月26日、共に「東北北部は7月下旬前半に梅雨明けした」と発表。しかし「これではわかりづらい」という批判が相次ぎ、現在の形、つまり平均的な5日程度の季節の移り変わりの期間の内、「〇月〇日ごろ」と中日を確定値として記録することになりました。

「立秋後でも発表を」とメールにありましたが、夏が終わった9月はじめに気象庁のHPで公表されます。春から夏にかけての実際の天候経過を検討し、どのような確定値で統計資料として残すのか、気になります。 ※9月に発表した気象庁の検討結果でも、東北北部の今年の梅雨明けは「特定できない」でした。

587回「アメダス創設者 木村博士」2020年8月15日OA

2020年08月15日 6:00 PM

地域気象観測システム「アメダス」についてです。NHK放送文化研究所によりますと、「アメダス」という言葉がテレビに初めて登場した頃、「雨が降らない時にもアメダスと言うのはなぜか」「アメダスというのは大阪弁で『雨だす(アメですよ)』という意味か」等の質問・問い合わせが放送局にあったそうです。アメダスは英語の「Automated(オートメイティド)=自動化された、Meteorological(メテオロロジカル)Data(データ)=気象データ、Acquisition(アクイジション)System(システム)=収集システム」の頭文字を取ったものです。観測データは、電話回線を通じてアメダスセンターに集められ、データチェック後、気象庁へ送られます。

アメダスは1974年11月1日に運用を開始しました。現在、降水量の観測所は約17キロ間隔で配置し、全国に約1300か所あります。 この内、約21キロ間隔で配置している約840か所では降水量に加えて、風向・風速、気温、日照時間を観測している他、雪の多い地方の約320か所では積雪の深さも観測しています。県内のアメダスは、盛岡地方気象台、無人化された宮古と大船渡の特別地域気象観測所、花巻の航空気象観測所、30か所の地域気象観測所、雨量のみ観測している13か所の地域雨量観測所、震災後に設けられた大槌町新町と陸前高田の臨時地域気象観測所、宮古市刈屋の臨時地域雨量観測所、13か所の積雪深計、以上63か所あります。天気予報の気温に関し「36の観測地点中」とお伝えしますが、これは気温を観測している盛岡、宮古、大船渡、花巻、地域気象観測所30か所、大槌町新町、陸前高田のデータを指しています。

「NHK気象・災害ハンドブック」には、名称決定のエピソードが紹介されています。AMDAS(アムダス)をはじめいくつかの略語候補があったそうですが、このシステムの創設者で当時の木村耕三観測部長が即座に「Meteorological(メテオロロジカル)のMeを採ってAMeDASにすることに決めた」そうです。日本気象学会の会報によりますと、東京生まれの木村さんは、気象庁を退官後、気象ロケット観測所が置かれていた現在の大船渡市三陸町に移住。北里大学水産学部で物理の講義を担当し1983年、69歳で他界しました。アメダスの生みの親は岩手と縁があったのです。

 

586回「気候変動と家庭での温暖化対策」2020年8月8日OA

2020年08月08日 6:00 PM

先月、気象庁が公表した「気候変動監視レポート2019」についてです。この年次報告は1996年から刊行しているもので、社会・経済活動に影響を及ぼす気候変動に関して、日本と世界の気候・海洋・大気循環の観測や監視結果に基づいた最新の科学的な情報・知見を取りまとめています。

2019年は、世界各地で異常高温や大雨など極端な気象・気候現象が発生しました。日本では千葉県を中心に甚大な被害を出した9月の台風15号や、岩手で初めて特別警報が出された10月の台風19号により、北日本から東日本で記録的な暴風・大雨となりました。又、全国的に気温の高い状態が続き、日本の平均気温は1898年の統計開始以降、最も高くなりました。全国的に最高気温が35度以上の猛暑日や、最低気温が25度以上の熱帯夜は増加し、最低気温が0度未満の冬日は減少しています。1日の降水量100ミリ以上及び200ミリ以上の日数は1901年から2019年の119年間で共に増加。一方、1日の降水量1ミリ以上の日数は減少しています。大雨の頻度が増える反面、弱い降水も含めて降水日数は減っていて、極端な気象現象が増加していると言えます。

背景には、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響があると考えらえています。気象庁では大船渡市三陸町綾里の他、南鳥島、与那国島の国内3地点で地上付近の温室効果ガスの濃度を観測している他、2隻の海洋気象観測船で洋上大気や海水中、又、北西太平洋上空で飛行機による観測を行っています。その観測で、二酸化炭素の濃度は大気、海洋共に長期的に増加しているということです。温暖化を緩やかにする為、私達にできることは二酸化炭素の排出量を減らすこと、つまり化石燃料の消費を減らすことです。2018年度の家庭からの二酸化炭素排出量データを見ますと、1番多いのが電気からの46.7%、次いでガソリンの24.3%です。日本の発電源は2017年度のデータで、液化天然ガス、石炭、石油といった火力発電が80.8%を占めています。電気を使うことは煙突の無い家からも煙が出ていることになります。電気や燃料の省エネを心がけた行動は、家庭での温暖化対策になるのです。

585回「令和2年7月豪雨」2020年8月1日OA

2020年08月01日 6:00 PM

今回は熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した「令和2年7月豪雨」についてです。梅雨前線が長期間停滞し、東シナ海から暖かく湿った大量の水蒸気が流れ込み続けた為、西日本から東日本にかけての広い範囲で記録的な大雨となりました。九州、四国、近畿南部、東海で降水量が増加し、7月3日から14日にかけての総雨量は、高知県馬路村1393.5ミリ、長野県王滝村1348ミリ、大分県日田市1302ミリ、熊本県湯前町(ゆのまえまち)1243.5ミリなど、1000ミリを超える地域がありました。盛岡の年間降水量の平均は1266ミリですので、10日余りで、盛岡で1年間に降る雨と雪を合わせた降水量と同じかそれ以上の雨が一気に降ったことになります。西日本全域で雨量が多かったわけではなく、特定の地域で長く降り続いたことが特徴でした。

日本気象協会の解析によりますと、九州地方では13事例の線状降水帯が発生しました。線状降水帯は次々と発生する発達した積乱雲が、長さ50~300キロ程度、幅が20~50キロ程度で列をなし、数時間にわたって、ほぼ同じ場所を通過又は停滞することで作り出されます。2年前の西日本豪雨では東海以西の広い範囲で15事例の線状降水帯が発生しましたが、今回は九州地方だけで西日本豪雨に匹敵する数の線状降水帯が確認されたことになります。又、熊本県内最大の河川である球磨川の氾濫をもたらした線状降水帯は11時間半継続という異例の長さとなりました。

河川整備では超えることがあってはならない計画降雨量が設定されていて、この規模の雨が降っても氾濫が発生しないよう治水対策が進められています。球磨川の場合、計画降雨量が12時間で262ミリなのに対し、7月3日午後11時半頃から4日午前11時前にかけて327ミリと、計画降雨量を大幅に超える雨量となりました。球磨川は度々、氾濫して水害をもたらしてきました。熊本県人吉市にある国宝・青井阿蘇(あおいあそ)神社脇の電柱には過去の浸水の深さが記されています。熊本大学の調査によりますと1965年の浸水では2.3m、1971年は1.1mでしたが、今回は3mの痕跡があったということです。これまでの記録を上回る豪雨が頻発しています。水害から命を守る為にはどうすれば良いのか、改めて家族や地域の人たちと確認することが大切です。

 

584回「大雨特別警報」2020年7月25日OA

2020年08月01日 9:36 AM

滝沢のオルガンさんから質問を頂きました。ありがとうございます。「改めて大雨特別警報とは何ですか?経験したことのないような大雨が降り、甚大な被害が起こる、またはもう起こっているというようなことを言われますが、特別警報が出た時点でもう逃げられない状況になっているのでは?と思うことがあります。発表の指標があるとのことですが、早めに発表することはできないものなのでしょうか?警報との違いは、どこにあるのですか?これからの台風シ-ズンに向けても心配です」

大雨特別警報とは、予想される現象が特に異常であるため、重大な災害の起こる恐れが著しく大きい旨を警告する防災情報です。警報の発表基準をはるかに超える、数十年に一度の大雨が予想される場合に発表されます。発表基準となるのが市町村毎の50年に一度の値で、例えばお住まいの滝沢市の場合、3時間降水量104ミリ、48時間降水量260ミリが目安となっています。「もう逃げられない状況になっているのでは?」ということですが、その可能性は非常に高いです。道路が川のようになっていたり、土砂が崩れて通れなくなったりしている恐れがあります。それゆえ大雨特別警報が出る前、しかも明るい内に安全な場所に避難を完了していることが肝要です。避難が間に合わない場合、川や崖から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上の階などに避難し、それすら危険な場合には山と反対側の2階以上の部屋に移動するなど、少しでも命が助かる可能性の高い行動をとることが重要になります。

大雨特別警報には主に3つの役割があります。1つ目は、土砂災害警戒区域や浸水想定区域など、災害の危険があるエリアから避難できていない住民に直ちに命を守る行動を徹底、2つ目は、災害が起きないと思われているような場所でも災害の危険度が高まっている異常事態であることの呼びかけ、3つ目は、速やかに対策を講じないと極めて甚大な被害が生じかねませんという危機感を防災関係者や住民等と共有することです。「早めに発表することはできないか」ということですが、大雨特別警報を出す可能性がある場合、気象庁、気象台では会見を行い周知します。ただ必ずしも特別警報レベルの大雨を予想できるわけではありません。大雨に関する警報が出された場合、どのような避難行動をとるのか、普段から想定しておくことが大切です。

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